愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

「うん、そうなの。和泉君は今から配達?」

「そう。ちょうど凛ちゃんの保育園に行くから萌ちゃん乗っていきなよ」

 屈託ない笑顔で言われると、こっちまで自然と頬が緩む。

「本当? ありがとう」

「待ってて。今、車を回してくるから」

 和泉君は私より二歳下の二十四歳。高校を出てすぐに実家の青果店で働き始め、今では立派な跡取りだ。

 文博さんの洋菓子店の果物は、和泉君の青果店からすべて購入している。毎日のように配達にきているから、歳も近いこともあってすぐに意気投合した。

 凛のこともすごく可愛がってくれていて、凛も和泉君に懐いている。

「萌ちゃん、お待たせー。乗って」

「ありがとう」

 店の前に和泉君が運転する小型トラックが停まり、私は助手席に乗り込んだ。運転席と合わせて三人乗りとなっていて、トラック部分は保冷仕様となっている。

「よし、じゃあ出発するよ」

「お願いします」

 私がシートベルトを締めたことを確認すると、和泉君は車を発進させた。

 流行りの曲を聞きながら口ずさむ彼の横顔をチラッと盗み見る。

 和泉君は身長が一七〇センチ。サラサラの栗色の髪で肌が白く、クリッとした目が印象的な可愛い出で立ちをしている。

 本人は男らしくなりたいって言っているけれど、アイドルフェイスの彼を目当てに青果店に通うマダムたちも多いほど。

 とっても世話焼きな一面もあり、こっちに来たばかりで知り合いのいない私を心配して、一緒に商店街中も回って私のことを紹介してくれた。彼のおかげで早くにみんなと親しくなれたと思う。

 頼りになる面もあれば、意外と抜けている一面もあり、時々姉のように慕って甘えてくることもある。だからかよく弟がいたらこんな感じなのかなって想像していた。