愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

「もう、遼生さん! からかいましたね?」

「アハハッ! ごめん、萌の反応が可愛くてつい……。でももうひとり子供を作りたいっていう気持ちは本当」

 そう言って遼生さんは触れるだけのキスを落とす。

「今すぐにじゃなくてもいい。結婚式を挙げて新生活が落ち着いたら、凛に兄弟を作ってあげよう」

「そうですね、きっと凛はお姉ちゃんぶるでしょうね」

「そこがまた可愛いって両親たちが騒ぎそうだ」

 その場面を想像しただけで笑ってしまう。

「遠回りした分、これからふたりで幸せになろう」

「……はい!」

 でもね、遼生さん。たしかに私たちは遠回りしたけれど、決して意味のないものではなかったと思うの。

 遼生さんは遠回りしたからこそご両親の愛情に触れることができ、せっかく一度はぅふい不動産の後継者になると決心したのに、駆け落ちによってそれを諦めることにもならなかった。

 私も北海道へ向かい、明子さんと文博さん、和泉君をはじめ多くの人との素敵な出会いがあり、夢だった翻訳家になることもできた。

 そして両親とも前よりも仲が深まり、愛おしい凛と幸せな日々を過ごすことができたのだから。

 でもこれからは三人で幸せな日々を過ごしていきたい。

 何度も甘い口づけを交わしながら、強く願った。


 一年後――。

 四歳となった凛にリングガールを務めてもらい、私たちは両親や親族、親しい友人たちに見守られ、神様の前で永遠の愛を誓った。

 新しい生活をはじめ、幸せな日々の中で新たな命を授かるのは、もう少し先の話――。
                                      END