「いや~、本当にめでたい! よかったな、萌ちゃん」

 一杯飲んだだけですっかりほろ酔い気味の文博さんは、いきなり泣き出した。

「もう、あなたったら。凛がびっくりしているわよ? ねぇ、凛」

「うん、ふみじい、なんで急に泣いたの?」

 この日の夜、いつもの四人に両親に遼生さんを加え、賑やかな食卓を囲んでいた。

「それはふみじいはな、凛にパパができて嬉しいからだよ」

「うん、凛も嬉しい」

「そうかそうか」

 唐揚げを食べながら満面の笑みで答える凛に、文博さんは泣き止んですっかりデレデレ。

「ふふ、文博さんってばうちの人より凛のおじいちゃんって感じね」

 母がそう言うと、明子さんも「そうなのよ」と言って続ける。

「凛を可愛がる姿は本当に孫バカだと思う」

 明子さんに言われ、文博さんは「お前だってそうだろう」と反撃に出た。

「いつもお客さんに凛の自慢ばかりしているじゃないか」

「当たり前でしょ? 凛は本当に可愛いんだから」

 ふたりを見て母は声を上げて笑う。とても賑やかで、幸せな食卓だ。……父と遼生さんを覗いては。