そっと彼の肩に触れた瞬間、わずかにビクッと身体が反応した。
「私なら大丈夫ですから。それにあの日、遼生さんは私との待ち合わせ場所に向かう途中に事故に遭い、記憶を失ったと全部聞きました。私……待ち合わせ場所に来なくて、家は引き払った後で。そして別れのメッセージをもらい、もう完全に遼生さんは私のことが嫌いになったんだって思ったんです。それで確認もせずにひとりで東京を離れちゃいました。だから私も悪いんです」
「萌……」
ちゃんと遼生さんに愛されていると実感できていたのに、メッセージを信じて彼のことを信じることができなかった私のせいでもある。
「それに再会してからも、記憶を失ったことで苦しんでいることを打ち明けてくれたのに、事実を話せずにいてごめんなさい」
「なにを言って……っ! それは俺のためだったんだろう? 萌が謝ることでも気に病むことでもない」
「でもっ……」
私が再会した日に話していたら、もしかしたら遼生さんは記憶を取り戻していたかもしれない。
言わなかったのは、もう二度と私に笑顔を向けてくれない、会えなくなるかもしれないと怖くなったからだ。だけどそれはすべて身勝手な思いだった。
「本当に萌は悪くないから。おかげで俺は萌に二度恋することができた。さらにはこんな愛らしい天使にまで会えたんだ。感謝しかないよ」
「遼生さん……」
感謝だなんて――。それは私のほうだ。
「私なら大丈夫ですから。それにあの日、遼生さんは私との待ち合わせ場所に向かう途中に事故に遭い、記憶を失ったと全部聞きました。私……待ち合わせ場所に来なくて、家は引き払った後で。そして別れのメッセージをもらい、もう完全に遼生さんは私のことが嫌いになったんだって思ったんです。それで確認もせずにひとりで東京を離れちゃいました。だから私も悪いんです」
「萌……」
ちゃんと遼生さんに愛されていると実感できていたのに、メッセージを信じて彼のことを信じることができなかった私のせいでもある。
「それに再会してからも、記憶を失ったことで苦しんでいることを打ち明けてくれたのに、事実を話せずにいてごめんなさい」
「なにを言って……っ! それは俺のためだったんだろう? 萌が謝ることでも気に病むことでもない」
「でもっ……」
私が再会した日に話していたら、もしかしたら遼生さんは記憶を取り戻していたかもしれない。
言わなかったのは、もう二度と私に笑顔を向けてくれない、会えなくなるかもしれないと怖くなったからだ。だけどそれはすべて身勝手な思いだった。
「本当に萌は悪くないから。おかげで俺は萌に二度恋することができた。さらにはこんな愛らしい天使にまで会えたんだ。感謝しかないよ」
「遼生さん……」
感謝だなんて――。それは私のほうだ。



