愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 そして「りょーせー君、元気だった?」と聞く凛の顔を見つめる。そんなふたりを前にして、私は一歩も動くことができずにいた。

 遼生さんが約束通り戻ってきた。彼と会える日を不安に思いながらも待ちわびていたはずなのに、やっぱり恐怖心が大きい。

 遼生さんの記憶は戻っているのだろうか。私と凛のことを覚えている? 記憶を取り戻していたとしたら彼は今、どんな思いで凛を抱いているの?

 知るのが怖くて微動だにできない中、凛が小首を傾げながら「りょーせー君?」と声をかえた。

「凛ちゃん……っ」

 震える声で凛の名前を呼びながら、遼生さんの頬に一筋の涙が伝う。

「えっ! ど、どうしたのりょーせー君!」

 突然涙を流した遼生さんに凛は慌て出す。

「痛いの? 大丈夫?」

 心配する凛を遼生さんは目を細めて愛おしそうに見つめた。

「いや、違うよ。……やっと凛ちゃんに会えたのが嬉しかったんだ」

「凛もりょーせー君に会えて嬉しいよ? でも凛は泣かないよ?」

「そうだね、嬉しいのに泣くのは変だよね」

 笑いながらも遼生さんは静かに涙を流し続ける。

 遼生さんの涙に戸惑いを隠せずにいる中、彼は手で涙を拭ってこちらを見た。