愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 もう一度感謝の気持ちを伝えれば、珠緒は首を横に振った。

「お礼はいらないよ。だって私、何度も処分しようと思ったもの。その証拠にラッピングされていないでしょ?」

「それでも棄てずにいてくれてありがとう」

 こうして萌との記憶の物が出てきてくれて嬉しいよ。

「だからお礼はいいってば。……その代わり、早くそれを渡して幸せになって。そうしてくれないと、うちの両親も遼生さんとの結婚を諦めないかもしれないし」

 照れ臭そうにぶっきらぼうに言う珠緒に、思わず笑いそうになるも必死にこらえて立ち上がった。

「わかったよ。本当にありがとう。どうか珠緒も幸せになってくれ」

 そう言って深く頭を下げた。

 幼い頃から知っている彼女だからこそ、俺との婚約解消をきっかけに不幸になんてなってほしくない。どうか幸せになってほしい。

 心からそう願いながら頭を下げ続けていると、珠緒は「幸せになって絶対に遼生さんに会いに行くから」と言った。