愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 そう言いながら珠緒はジェラートをスプーンで掬い、口に運ぶ。そしてすべて食べ終えると、真っ直ぐに俺を見つめた。

「これまで何度も伝えてきたけど、私はたとえ親が決めた結婚だとしても、遼生さんと家庭を築いていきたい。だってお互いこれ以上に見合う相手なんていないでしょう? それなのに、どうして遼生さんはいつも〝運命の相手〟にこだわるんですか?」

 それは何度も珠緒に聞かれてきた言葉だった。その度に俺はこう答えていたよな。

「俺たちは生まれる前から人生が決まっていたようなものだろ? 勉強にスポーツに塾に習い事に、子供の頃から自由に選ぶ選択肢などなかった。だからせめて結婚だけは自分自身が選んだ運命の人としたいんだ」

 昔は両親の期待を裏切る形で萌と逃げようとしたが、今は違う。両親にはこれまで育ててもらった恩義がある。だから両親のためにも碓氷不動産を継いで、これまで以上に大きくしていきたい。

 それとは別にこの息が詰まりそうな窮屈な日々を変えてくれる、そんな心安らぐ相手と生涯をともにしたい。

 なにがあっても守りたい、一生そばにいてほしいと思える相手は萌だった。