「ふたりで食事をするのは久しぶりだし、まずは乾杯しましょ」
「いや、俺は……」
断ろうとしたら、珠緒が俺の声を遮った。
「そんなことを言わないで。だってふたりで食事をするのは今夜が最後かもしれないんでしょ?」
あまりに悲痛な声で言われた言葉に思わず彼女を見つめると、今にも泣きそうな顔をしていた。しかし俺と目が合った瞬間、再び気丈に振る舞う。
「とっておきのワインを用意してもらったの。せっかくだから飲んでいって」
「……それじゃ一杯だけ」
今夜、はっきりと珠緒とは結婚できないと告げて関係を断つつもりでいたが、拒否されることを想定してきた。しかしその心配はなかったのだろうか。
そんな考えが頭をよぎったが、これまで何度切り出しても頑なに拒否されたことを思い出し、油断はできないと言い聞かせる。
まずは乾杯をして、それから次々と料理が運ばれてきた。ここには初めて来たが、どの料理も味付けが繊細でおいしい。
黙々と食べ進めていき、デザートと食後のコーヒーが運ばれてきた。
「どうぞごゆっくりお過ごしください」
最後にウエイターは大きく一礼をして去っていく。
「とうとうデザートが運ばれてきちゃった」
「いや、俺は……」
断ろうとしたら、珠緒が俺の声を遮った。
「そんなことを言わないで。だってふたりで食事をするのは今夜が最後かもしれないんでしょ?」
あまりに悲痛な声で言われた言葉に思わず彼女を見つめると、今にも泣きそうな顔をしていた。しかし俺と目が合った瞬間、再び気丈に振る舞う。
「とっておきのワインを用意してもらったの。せっかくだから飲んでいって」
「……それじゃ一杯だけ」
今夜、はっきりと珠緒とは結婚できないと告げて関係を断つつもりでいたが、拒否されることを想定してきた。しかしその心配はなかったのだろうか。
そんな考えが頭をよぎったが、これまで何度切り出しても頑なに拒否されたことを思い出し、油断はできないと言い聞かせる。
まずは乾杯をして、それから次々と料理が運ばれてきた。ここには初めて来たが、どの料理も味付けが繊細でおいしい。
黙々と食べ進めていき、デザートと食後のコーヒーが運ばれてきた。
「どうぞごゆっくりお過ごしください」
最後にウエイターは大きく一礼をして去っていく。
「とうとうデザートが運ばれてきちゃった」



