愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 びっくりして彼を見れば、頭を抱えて蹲っていた。

「遼生さん!?」

 思わず〝碓氷さん〟ではなく〝遼生さん〟と呼んでしまったものの、それを気にする余裕などないほど彼は激しい頭痛に襲われている様子。

 苦しげに声を上げる姿に、凛は涙目になる。

「どうしよう、ママ。りょーせー君が大変だよぅ」

「大丈夫よ、凛」

 凛を抱いて慰めながらも、困惑してしまう。

 なぜ急に頭痛が? そういえば記憶を取り戻しそうになると激しい頭痛に襲われるって言っていたよね。それじゃもしかして、なにかを思い出そうとしていた?

「どうしました? 大丈夫ですか?」

「救急車を呼びましょうか?」

 信号待ちをしていた人たちに声をかけられ、自分を奮い立たせる。

 そうだ、とにかく救急車を呼んで医者に診てもらったほうがいい。

「はい、すみませんがお願いしてもいいですか?」

 周りの人たちに協力してもらい、私と凛は頭を抱えて苦しむ遼生さんに付き添い、救急車で病院へと向かった。

 すぐに医師に診察をしてもらえて入院となったものの、家族ではない私では彼の病状を聞くことも手続きもすることが叶わなかった。