「黙っていて悪かった。……婚約者との関係は冷え切っているし、萌ちゃんには碓氷不動産会社の息子としてではなく、碓氷遼生というひとりの男として俺を見てほしかったんだ。萌ちゃんの前でだけは、ありのままの自分でいたかったし、そんな俺を好きになってほしかった」
「遼生さん……」
正直、遼生さんが碓氷不動産会社の跡取りだと知って戸惑いを隠せない。それに彼と私では不釣り合いだとも思う。
私の父親は商社に勤めるサラリーマンで、母は専業主婦のごく一般家庭だ。私だって突起して秀でているものはないし、見た目だって普通の容姿をしている。
そんな私がこれからも隣にいてもいいのだろうか。いつか迷惑に思われる日がこない?
不安を募らせていると、急に遼生さんは私の手を離して跪いた。
「難しいかもしれないけど、俺のことをただひとりの男として見てほしい。そのうえで返事を聞かせてくれ」
そう前置きをして、遼生さんはジャケットのポケットの中から小さな箱を取って私に差し出した。
「萌ちゃんが好きだ。この先の長い将来、キミ以外に好きになる女性はいない」
ストレートな愛の言葉に胸がギュッと締めつけられる。
「遼生さん……」
正直、遼生さんが碓氷不動産会社の跡取りだと知って戸惑いを隠せない。それに彼と私では不釣り合いだとも思う。
私の父親は商社に勤めるサラリーマンで、母は専業主婦のごく一般家庭だ。私だって突起して秀でているものはないし、見た目だって普通の容姿をしている。
そんな私がこれからも隣にいてもいいのだろうか。いつか迷惑に思われる日がこない?
不安を募らせていると、急に遼生さんは私の手を離して跪いた。
「難しいかもしれないけど、俺のことをただひとりの男として見てほしい。そのうえで返事を聞かせてくれ」
そう前置きをして、遼生さんはジャケットのポケットの中から小さな箱を取って私に差し出した。
「萌ちゃんが好きだ。この先の長い将来、キミ以外に好きになる女性はいない」
ストレートな愛の言葉に胸がギュッと締めつけられる。



