愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 すると遼生さんは昔のように驚き、私を見た。そして少し照れくさそうに受け取りながら「ありがとう」と言ってくれた。

 それからラストに向けての展開に、私と遼生さんは何度も鼻を啜りながら鑑賞した。

 終演となり、照明が灯されるとみんな一斉に席を立つ。しかし私と遼生さんは余韻に浸るように動けずにいた。

「やっぱり何度見ても泣けるな」

「はい、私もです」

 凛は終わっても起こすのが可哀想なくらいぐっすりと眠っていた。

「ハンカチありがとう」

「いいえ。凛がなにかと汚したりするので、いつも多めに持ち歩いているんです」

 それにもしかしたら、昔のように遼生さんにハンカチを渡すことになるかも……という思いもあった。

「本当にありがとう。今度、洗って返すから。と言っても、週末には東京に戻ることになったから、もしかしたら返せるのは少し先になっちゃうかもしれないけど」

「えっ」