愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 初めて見た時から役者は変わっているけれど、当然ストーリーは変わっていない。

 ひとりの少年の成長物語に、よく自分を重ね合わせて鑑賞していた。数年経ち、母親になってから改めて見ると、よりいっそう感情移入してしまい、終盤に差し掛かるにつれて涙が零れ落ちた。

 そっとハンカチで涙を拭いながら、昔、彼もこの場面で涙を流していたことを思い出す。

 チラッと見れば、やはり遼生さんの目からは涙が頬を伝っていた。その姿に初めて出会った日の彼が重なる。

 記憶を失ったって、遼生さんは遼生さんだ。四年前に別れを告げられたのは、なにか事情があったと信じたくなる。

 だってやっぱり幸せだった日々が偽りだったとは思いたくない。彼も同じ気持ちで過ごしてくれていたと願いたいから。

 凛はいつの間にか眠っていて、私は余分に持ってきたハンカチをそっと彼に差し出した。