愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 まるで神様が私たちが出会った公演を見て、そこですべて打ち明けなさいと言っているようだ。

「どうかな?」

「ママ、行こう。凛、見てみたい!」

 手をぶらぶらさせておねだりする凛に「そうだね」と答え、遼生さんを見つめた。

「ぜひお願いします」

 返事をすると、遼生さんはホッとした顔を見せた。

「よかった。じゃあさっそくチケットを取ろう。たぶんネットで取れると思うから、どこかお店に入ろうか」

 ちょうど数十メートル先にファミレスがあり、そこで遼生さんは三人分のチケットを取ってくれた。


「まさかもう一度あのミュージカルを遼生さんと見ることができるなんて、夢にも思わなかったな」

 帰宅後、さっそく凛は明子さんと文博さんに、来週の日曜日に遼生さんと三人でミュージカルを見に行くと嬉しそうに報告していた。

 ふたりは私と遼生さんが出会ったのがそのミュージカルだと知っていたから、とても驚いていた。

 部屋のポスターを眺めながら、遼生さんと初めて言葉を交わした瞬間を思い出す。