愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 どうやって切り出そうかと頭を悩ませていると、急に凛が「あー!」と大きな声を出して足を止めた。

「ママ見てー! お部屋と同じやつがあるよ」

「えっ?」

 凛が指さす方向に目を向ければ、コンビニの窓にミュージカルのポスターが貼ってあった。

「これ……」

「懐かしいな」

 遼生さんと声が被り、顔を見合わせた。

「もしかして萌ちゃんも見たことがあるの?」

「あ……はい。昔からミュージカル鑑賞が趣味で、とくにこの作品は一番好きでした」

 戸惑いながらも答えると、遼生さんは目を見開いた。

「俺もなんだ。……俺もこの作品がすごく好きで、なにかに悩んだり迷ったりすることがあったら、必ず見に行っていた」
 出会った時もたしか、自分の進路に迷っていてそれで見に来ていたって言っていたよね。あの時が初めての鑑賞ではなかったんだ。

「そうなんですね」

 初めて聞いたように装って答えながら、再びポスターに目を向ける。