愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

 たとえすべてを打ち明けても、記憶を取り戻して私と凛への気持ちが変わらなかったとしても、相手は碓氷不動産の後継者だ。きっと昔、結婚を認めてもらえなかったように反対されるだろう。

 その可能性があるとわかった上で、やっぱり私は遼生さんと一緒にいたい。もう一度初めから恋して、関係を育んでいきたいよ。

「りょーせー君、ごちそうさまでした!」

「どういたしまして」

 遼生さんが会計を済ませると、すぐにお礼を言った凛に続いて私も「ごちそうさまでした」と伝えた。

「こっちこそ楽しい時間をありがとう」

「いいえ、そんな」

 店を出て駐車場へ向かう際は、当たり前のように凛が遼生さんの手を握った。

「はい、ママも」

 そして反対の手を私に差し出す。

「……うん、行こうか」

 凛を真ん中に三人で並んで歩いていく。上機嫌な凛は、大好きなアニメの歌を口ずさんでいる。

 どうしよう、今日すべてを打ち明けようと思って来たけれど、そのタイミングが掴めない。そもそも凛が一緒にいたらできない話だよね。