たしかにこの耳で聞いたはずなのに、夢のような言葉で現実感が沸かない。
「好きなんだ。……萌ちゃん以上に好きになれる人とこの先、出会う自信がない。だからどうしても今日、萌ちゃんと出会ったこの場所で伝えたかった」
そう言うと遼生さんは繋いでいた手をさらに強く握った。
「今まで言えずにいたけど、俺の父親は碓氷不動産の社長で、俺は後継者なんだ。今は父のもとで経営者としてのノウハウを学んでいる」
碓氷不動産は、恐らく大半の人が知っている大きな会社だ。
不動産全般はもちろん、開発・分譲もおこなう世界的にも有名な大手会社である。都市開発基盤整備、住宅等の施設建設、賃貸や分譲まで請け負っている。
そんな会社の社長の息子で、彼が後継者?
突然の話に頭が追いつかない。でもそれを聞いて出会ったばかりの頃に連れていってもらったレストランや、プレゼントしてもらったブランドもののハンカチ。
それと春先の私の誕生日にもらった、女性に人気のブランドのペンダントにも納得がいく。彼はただの会社いんじゃない、御曹司だったからなんだ。
「それと俺には幼い頃に決められた婚約者がいる。もちろん俺は同意していないし、結婚相手は自分で見つけると両親にも何度も伝えているから安心してほしい」
婚約者……。そう、だよね。大きな会社の御曹司だもの、婚約者がいてもおかしくないのかもしれない。
とはいえ、驚きを隠せずにいると遼生さんは「びっくりしたよな」と、ためらいがちに言った。
「好きなんだ。……萌ちゃん以上に好きになれる人とこの先、出会う自信がない。だからどうしても今日、萌ちゃんと出会ったこの場所で伝えたかった」
そう言うと遼生さんは繋いでいた手をさらに強く握った。
「今まで言えずにいたけど、俺の父親は碓氷不動産の社長で、俺は後継者なんだ。今は父のもとで経営者としてのノウハウを学んでいる」
碓氷不動産は、恐らく大半の人が知っている大きな会社だ。
不動産全般はもちろん、開発・分譲もおこなう世界的にも有名な大手会社である。都市開発基盤整備、住宅等の施設建設、賃貸や分譲まで請け負っている。
そんな会社の社長の息子で、彼が後継者?
突然の話に頭が追いつかない。でもそれを聞いて出会ったばかりの頃に連れていってもらったレストランや、プレゼントしてもらったブランドもののハンカチ。
それと春先の私の誕生日にもらった、女性に人気のブランドのペンダントにも納得がいく。彼はただの会社いんじゃない、御曹司だったからなんだ。
「それと俺には幼い頃に決められた婚約者がいる。もちろん俺は同意していないし、結婚相手は自分で見つけると両親にも何度も伝えているから安心してほしい」
婚約者……。そう、だよね。大きな会社の御曹司だもの、婚約者がいてもおかしくないのかもしれない。
とはいえ、驚きを隠せずにいると遼生さんは「びっくりしたよな」と、ためらいがちに言った。



