愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

「どんな理由であれ、凛ちゃんにとって碓氷さんは父親だろ? ふたりとも事実を知らないまま過ごすなんて酷だと思う。このまま黙っていたっていいことなんてなにひとつない。もちろん萌ちゃんが不安になる理由もわかる。だけどさ、俺は碓氷さんが萌ちゃんに別れを告げたのには、なにか理由がある気がしてならない」

 そう言うと和泉君は拳をギュッと握りしめた。

「記憶を失い、それでも再び同じ人を好きになるってことは、それだけ碓氷さんにとって萌ちゃんは大切な存在だったと思う。普通はあり得ないことだよ。それになにより萌ちゃんがすべてを打ち明けて、その上で碓氷さんと幸せになりたいって思っているんじゃないか?」

「それは……」

 図星でなにも言い返せなかった。和泉君の言う通り、私がこんなにも悩んでいるのは、遼生さんと幸せになりたいと望んでいるからだ。

 再会してから、改めて私はまだ遼生さんのことが好きなんだって思い知らされた。でも……。

「凛のことを考えたら、打ち明けることなんてできないよ」

「それは萌ちゃんの考えであって、凛ちゃんは違うかもしれない。だから俺は事実をありのまま伝えるべきだと思うよ」

 間髪を容れずに言われた言葉が、胸の奥深くに突き刺さる。