「咲、飲み物買ってくるからな」

「あ、私も行くよ」

「いや、大丈夫」



 近くの公園に行って、ベンチに腰掛けた俺達。

 咲はまだ顔の熱が逃げていないのか、赤く染まっている。

 はぁ、お似合い……か。

 俺にとっては最高に嬉しい言葉。

 けど、咲はどう思ってるんだろう。

 ただの、恋人しか思ってないのかもしれない。

 『これ』、渡せるか?

 1つ、深いため息が響く。



「……いえ、結構です」

「そんなこと言わずにさ〜」



 咲と、知らない男の声が、小さく聞こえた。