「冗談だよ」



 咲の頭を撫でた。

 絹みたいに柔らかかった。



「ねぇねぇ、あの2人。お似合いだよね!」

「分かる!美男美女っていいよね!」



 周りの声を聞いて、俺は顔がりんごみたいに真っ赤に染まった。

 お、お似合いって……。

 咲なんか、脳がシャットアウトしてないか!?



「さ、咲大丈夫か!?」

「だ、大丈夫……」



 絶対大丈夫じゃないだろ!



「とりあえず、外出るか?」

「う、うん」