「ほら、早く行くぞ」

「あ、うん」



 さりげなく恋人繋ぎをして、俺達はデートをするための場所、水族館に向かった。



        ***



「わぁあ!すっごく可愛い」



 目をキラキラさせてクラゲを見ている彼女は、子供に見えた。



「咲、ホントにクラゲが好きなんだな」

「だって、ふんわり浮かんでて癒されるなって思っちゃうんだよね」

「じゃあ、刺されてもいいな」



 ニヤリと笑って言うと、がっくりと肩を落とした咲。



「だから、それとこれは話が別なんだって」