あの後、2Dと松川さんは数々のラフプレーを咎められ、反省文を書かされることになったらしい。
買収されていた審判も厳重注意となったそうだ。
「松川茜の大ファンで有利な審判するならデートしてあげる〜って言われてたそうよ」
「ほんっとサイテーだよね!」
「でも、勝ててよかった」
「ほんとにね!ありがとう九竜くん!クラスみんな感激してたよ!」
「いや別に」
「すごくカッコ良かったよ蒼永くん」
「あの時の松川茜の顔なんて一生忘れないわ」
何はともあれ、一回戦突破できてよかった!
この後の二回戦では3年生と当たり、男女ともに大柄な選手が多くて体格差で叶わずに負けてしまった。
だけど、正々堂々戦って負けたからスッキリとした気持ちだった。
もちろん悔しさもあるけど、一度も勝てないで負けるよりは全然マシ。
色んなことがあった球技大会は幕を閉じた。
ちなみにこれはちょっとした後日談だけど、あの日以来1年生にも蒼永に彼女がいることが知れ渡り…。
「あっ!あの人!九竜先輩の彼女だ」
「めっちゃかわい〜!!応援してまーす!」
点差が開いてからの劇的逆転勝利、しかも彼女のために勝ったというのがドラマチックだったらしく…よく声をかけられることが多くなった。
まあこれはこれでよかったのかな?なんて…。



