許嫁として、ちゃんとしたいんだけどなぁ…。
長い廊下を渡り、やっと本邸に辿り着く。
所謂生活するための邸宅なんだけど、これがまた大きい。
「咲玖ちゃん!」
笑顔で出迎えてくれたのは、蒼永ママこと永美里さん。
「永美里さん!こんにちは」
「相変わらずかわいいわね〜、咲玖ちゃん」
「こんにちは」
「青人さんもお久しぶりです!」
蒼永パパこと青人さんは、都心で美容院を経営していて普段は実家にいない。
青人さんまで帰ってるってことは、相当大事なお話なのかな?
「蒼永もお帰りなさい。部活大変?」
「まあ、いつも通り」
…久しぶりに蒼永たち家族が揃ってるの見たけど。
顔面偏差値エグい家族だな…。
永美里さんも青人さんも超絶美形だし、この二人から生まれた蒼永がイケメンに生まれてくるのは必然なのかも。
「よしよし、揃ったな。今日は大事な話があって来てもらった」
おじいさまの言葉に、背筋がピンと伸びる。
「青人…いや、永美里さんから話してもらえるかね」
「はい。実はね…、
妊娠したの」



