松川茜さん。
2年S組一の美少女で現役モデル。
私は去年ちょこっと色々あった(詳細は前作参照)。


「松川さんってD組に行ってたんだ」
「彼女、D組の連中手玉に取って、女王気取りで仕切ってるそうよ」
「え、そうなの?」

「松川茜って親に寄付金積ませて特待生にしてもらったって噂だよね〜」


そう言ったのは翠夏ちゃん。


「親が代議士で顔が利くんだって〜。父親はめっちゃ娘溺愛みたいだよ」
「そんな女と双璧なんて言って申し訳ないわ、翠夏」
「桃のんてば全然気にしてないよ〜」


この前から妙に息が合ってるんだよね、この二人。


「とにかく絶対負けちゃダメよ!」
「任せて!そろそろ行こ、咲玖ちゃん」
「う、うんっ」
「頑張ってね〜」


桃ちゃんと大志くんに見送られ、私と翠夏ちゃんはバスケコートの方に移動した。


「黄瀬くんもめっちゃイケメンだよね〜。桃のんの旦那感強すぎて誰も狙わないけど」
「そうだねぇ」
「は〜いいなぁ。羨まし〜」
「そういえば緋色くんは?」
「多分外だと思う。サッカーだし」
「会ってないの?」
「そんな暇ないもん」


校庭と体育館の行き来となると、なかなか難しいか。絶妙に試合時間被ったりするもんね。


「続いての試合、2年B組と2年D組は前に出てください!」