「…咲玖、住江と仲良くなったの?」
「いや?仲良くなれたらいいなぁとは思ってるけど」
翠夏ちゃんの好きな人だし、もっと緋色くんのこと知りたいなぁとは思うんだよね。
でも、何となく翠夏ちゃんが心配する気持ちはわかった気がする。
なんかほっとけない感じだよね、緋色くん。
「咲玖、」
「え?……んっ」
突然強引に唇を塞がれて、無理矢理こじ開けられて舌が侵入する。
急な強引で濃厚なキスでも受け入れそうになってしまったけど、ダメだダメだと理性をはたらかせる。
だって今、学校の校庭…!!
隅っこにある練習用のバスケゴール付近とはいえ、さっきみたいに誰か来るかも…!!
「ん〜っ!んんんっ!」
バシバシ叩いて抵抗し、ようやく離してくれた。
「――急にどうしたの!?」
「…ごめん」
流石に反省した声色で謝ると、そのまま抱きすくめられてしまう。
「…やっぱ余裕ないな」
何が蒼永のスイッチを入れたのか正直わかってないんだけど、緋色くんのことが関係してるんだとしたら。
勝手に翠夏ちゃんの気持ちバラす真似はしたくなかったけど、蒼永が不安にならないなら…。
「翠夏ちゃんね、緋色くんのことが好きなの」
ごめんね、翠夏ちゃん!!
後でちゃんと謝ります!!



