クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



「…咲玖、住江と仲良くなったの?」
「いや?仲良くなれたらいいなぁとは思ってるけど」


翠夏ちゃんの好きな人だし、もっと緋色くんのこと知りたいなぁとは思うんだよね。
でも、何となく翠夏ちゃんが心配する気持ちはわかった気がする。

なんかほっとけない感じだよね、緋色くん。


「咲玖、」

「え?……んっ」


突然強引に唇を塞がれて、無理矢理こじ開けられて舌が侵入する。
急な強引で濃厚なキスでも受け入れそうになってしまったけど、ダメだダメだと理性をはたらかせる。

だって今、学校の校庭…!!
隅っこにある練習用のバスケゴール付近とはいえ、さっきみたいに誰か来るかも…!!


「ん〜っ!んんんっ!」


バシバシ叩いて抵抗し、ようやく離してくれた。


「――急にどうしたの!?」

「…ごめん」


流石に反省した声色で謝ると、そのまま抱きすくめられてしまう。


「…やっぱ余裕ないな」


何が蒼永のスイッチを入れたのか正直わかってないんだけど、緋色くんのことが関係してるんだとしたら。
勝手に翠夏ちゃんの気持ちバラす真似はしたくなかったけど、蒼永が不安にならないなら…。


「翠夏ちゃんね、緋色くんのことが好きなの」


ごめんね、翠夏ちゃん!!
後でちゃんと謝ります!!