クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



な、なるほど…?
つまり、蒼永に住江くんのこと守ってもらいたかったってこと…?


「何となくだけど九竜くん、見た目で判断するような人じゃないだろうなって思ったから。
味方になってくれたら心強いかもって思ったの」

「そうだったんだ…」

「まさか九竜くんの彼女と同じクラスになれると思ってなかったからチャンスだって思っちゃって…ごめんね、ぶっちゃけ咲玖ちゃんのこと利用してた」

「えーー!?」


そうだったんですか!?
全然知らなかった…!


「…私昨日住江くんと会ったよ」

「マジで!?」

「うん、すごく和歌が好きでめっちゃ詳しくてすごいね」

「そうなの!最初は何このヲタク!?って思ったけど、和歌やかるたと向き合ってる姿勢は本当に真剣なの!そこがすごくカッコいいんだよね〜」


そう住江くんを語る翠夏ちゃんは、今までで一番かわいかった。
正に恋をしている表情だ。


「翠夏ちゃん、本当に住江くんのこと好きなんだね」

「…緋色は、あたしのこと何とも思ってないけどね」

「…告白はしないの?」

「無理だよ〜。元々は部長目当てのミーハー心で入部してるのに、今更緋色が好きなんて…」


いつもは堂々としている翠夏ちゃんが、こんなに臆病になるなんて。
本当に住江くんのことが好きなんだ――。