「九竜くん、今日はありがとう!邪魔してごめんね?」
「いや、いいけど…」
お昼休み。
翠夏ちゃんも一緒に中庭でランチです。
「お弁当は咲玖ちゃんが作ってるの?」
「あ、今日は蒼永が」
「そうなの!?」
「交代制なの。私が作ることもあるけど、蒼永の方が料理得意で…」
「咲玖も上手くなってきたよ」
「ありがとう」
この前は卵焼き焦がしちゃったんだけどね…。
焦げた卵焼きは自分のお弁当に入れたけど、まだまだなんだ。
「九竜くんってガチハイスペック?」
「いやほんとにそうなんです…」
それに比べて超平凡な私…。
料理は勉強中だし、成績は可もなく不可もなくだし(数学は苦手だけど)、運動神経はゼロだし…。
蒼永とのスペックの差が激しすぎるよね…。
「でも咲玖ちゃんも調理部だし、何だかんだで上手いでしょ?」
「だといいんだけどね…翠夏ちゃんは料理する?」
「ぜーんぜん!これもママのお手製でーす」
翠夏ちゃんのお弁当は小さくてかわいくて、これぞ女子!って感じのお弁当だ。
「それだけで足りる?」
「ダイエット中だから」
どこを痩せるつもりなんだろう…?
今でも充分痩せてると思うんだけどな。
「九竜くんは結構食べる?」
「まあ、それなりに」
「いっぱい動くもんね〜。自分で料理もしてほんとに尊敬しちゃう」



