「1年記念日の時、咲玖が手紙書いてくれたでしょ」
「うん」
「昔は結婚することよくわかってなかったって」
「う…だって仕方ないじゃん」
「今日がくること、想像してなかった?」
「うーん、できてなかったのかもしれない。
あの時はふわふわしていて、あんまり現実に感じられてなかったから」
生まれた時から許嫁。
赤ちゃんの頃から一緒に育って、昔は兄妹みたいに思ってたこともあったっけ。
一緒にいるのが当たり前だと思ってた。
もう家族だと思ってた。
でも、違った。
蒼永に恋して、自分でも知らなかった気持ちに気づいた。
時に悩んだり切なくなったりもしたけど、昨日よりも今日が幸せでずっと愛おしくなる。
たくさん愛を育んで、本当の家族になっていくんだね。
「私の許嫁が蒼永でよかった!」
「もう許嫁じゃないよ」
「あ、そうだった」
「忘れないでね、奥さん」
「……っ!うん…」
奥さんか――……
「咲玖、生まれてきてくれてありがとう。」
ゆっくりとベールを上げ、真っ直ぐ私の目を見て微笑む蒼永。
「咲玖と一緒にいると、自然と笑顔になれる。
誰に対しても優しくて、時々想像を超えるようなことをして、でものんきでマイペースで…。
無邪気で真っ直ぐでかわいい咲玖が、世界で一番好きだよ」
「蒼永…」



