クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



抱っこされたまま式場の方に戻ったら。


「咲玖!!どこ行ってたのよ!!」


ママに怒られた。家族で総出で私のこと探してたみたい。


「ご、ごめんなさい」

「全くもう!大事な日までのんきな子ねぇ。
パパだけでも大変なのに」


パパはさっきからずっと何かブツブツ呟いたり、同じところを行ったり来たり。


「パパ、大丈夫?」

「……っ!!」

「あ、見ちゃったか。咲玖の顔見たら絶対泣くって見ないようにしてたのに」


号泣するパパとパパを慰めるママを見ていたら、私も涙腺が緩んできた。


「パパ、ママ、大好き」


パパとママの娘に生まれてよかった。
思わずこぼれ出た言葉に、ママまで泣き出しちゃって、親子三人で早々にボロ泣きしてしまった。


「ちょっとあなたたち!?早すぎるでしょう!!」


これにはおばあちゃんが大慌て。
双方のおばあちゃんが何とか両親を連れて行き、おじいちゃんが「待ってるからね」と優しく微笑んでくれた。

泣いてしまった私のメイクを急いで直し、何とか整えてもらう。
もう開始時刻ギリギリだった。

チャペルの扉が開いたら、友達や家族が笑顔と涙混じりに出迎えてくれて。

ママがベールを下ろしてくれて、また涙を堪えて目を真っ赤にさせるパパとヴァージンロードを歩く。


「あ、蒼永くん…っ、咲玖のこと、頼むね……っ!」

「はい。」


声を震わせるパパを真っ直ぐ見つめ、力強く言い切ってくれたことが嬉しかった。