抱っこされたまま式場の方に戻ったら。
「咲玖!!どこ行ってたのよ!!」
ママに怒られた。家族で総出で私のこと探してたみたい。
「ご、ごめんなさい」
「全くもう!大事な日までのんきな子ねぇ。
パパだけでも大変なのに」
パパはさっきからずっと何かブツブツ呟いたり、同じところを行ったり来たり。
「パパ、大丈夫?」
「……っ!!」
「あ、見ちゃったか。咲玖の顔見たら絶対泣くって見ないようにしてたのに」
号泣するパパとパパを慰めるママを見ていたら、私も涙腺が緩んできた。
「パパ、ママ、大好き」
パパとママの娘に生まれてよかった。
思わずこぼれ出た言葉に、ママまで泣き出しちゃって、親子三人で早々にボロ泣きしてしまった。
「ちょっとあなたたち!?早すぎるでしょう!!」
これにはおばあちゃんが大慌て。
双方のおばあちゃんが何とか両親を連れて行き、おじいちゃんが「待ってるからね」と優しく微笑んでくれた。
泣いてしまった私のメイクを急いで直し、何とか整えてもらう。
もう開始時刻ギリギリだった。
チャペルの扉が開いたら、友達や家族が笑顔と涙混じりに出迎えてくれて。
ママがベールを下ろしてくれて、また涙を堪えて目を真っ赤にさせるパパとヴァージンロードを歩く。
「あ、蒼永くん…っ、咲玖のこと、頼むね……っ!」
「はい。」
声を震わせるパパを真っ直ぐ見つめ、力強く言い切ってくれたことが嬉しかった。



