* * *
「わぁ〜!バラがいっぱい咲いてる〜!」
このチャペルにはローズガーデンが併設されていて、色とりどりの綺麗なバラが沢山咲いている。
「すっごくかわいい!スマホ持ってくればよかったなぁ」
お天気にも恵まれてよかった。
今の藍良くんくらいの時、結婚式ごっこしたんだよね。
お花の指輪交換したなぁ。
あの時は無邪気にはしゃいでたけど、本当にこんな日がくるなんて想像してなかった――。
「――咲玖!!」
「あっ!蒼永!」
許嫁が旦那様になることを、幼い私は理解できていなかった。
「何してたの?」
「お散歩!このローズガーデンすっごく綺麗だから!」
「…それ、今やる?」
「えっ」
「もう結婚式始まるんだけど」
「ええっ!?もうそんな時間!?」
ずっと控室にいると緊張して落ち着かないから、ちょっとお散歩してリラックスしようと思ってたけど、リラックスしすぎたかな!?
「全く、こんな時までマイペースだな…」
「ごめんなさい〜!!すぐ戻る!」
走るためにドレスの裾をたくし上げようとしたら、グイッと引っ張られて抱っこされた。
「掴まっててね」
「うん…!」
こんな時だけど、タキシード姿で髪型もセットしてる蒼永、カッコイイなぁ…って見惚れてしまう私は本当にマイペースだと思う。
「蒼永、よくここにいるってわかったね」
「わかるよ。何年一緒にいると思ってるの」
「あはっ、そっかぁ!」



