「あの医者怪しくない?」
「怪しすぎて犯人なら面白味ないと思うけど」
なんて犯人を予想しながら観ている。
事件の捜査と並行し、乗船していたとある美女と仲を深める主人公。
この美女は物語におけるヒロインでありながら、容疑者の一人。
彼女が犯人かもしれないという疑惑を持ちながら、それでも二人は惹かれ合い、そして――…
「!!」
濃厚なキスシーンからの、ベッドシーン……っ!!
急にまた鼓動が速くなり、体温が上昇していくのを感じる。
「わっ私ちょっと飲み物取ってくる!!」
我ながらわかりやすいけど、一瞬逃げた。
キッチンから新しい飲み物を取りに行き、ソファに座り直す。
「た、ただいま…」
「ふっ、あからさまに距離取るじゃん」
「うっ!だって…」
「別に二人きりだからって何もしないよ」
「え……」
そう言われると、途端にズキっと胸が痛む。
「何もしないの……?」
なんかそれはそれで、すごく寂しいような――…
「……咲玖、そういう言い方されると我慢できなくなるんだけど」
「……。」
「無言は肯定と取るよ?」
「っ」
蒼永の顔が近づいて、唇が重なり合う。
すぐに離れて、もう一度。
体重をかけられて、ソファの上に押し倒される。
そのまま再び重なり自然と舌が絡まり合い、互いに食べ合うみたいに口を動かす。
唇から全身が麻痺したみたいな感覚が広がり、頭がぼうっとして何が何だかわからなくなる。
「……っ!」
蒼永の手が私の服の中に滑り込んだ。
思わずビクッと反応してしまった。
「……ごめん」
パッと離れて解放される。
一瞬にして二人の距離が生まれる。



