ズビシ!と桃ちゃんに指を差される。
「九竜に限って靡くことはあり得ないけど、狙ってる可能性は大いにあり得るんだから!」
「そ、そんなことないよ!翠夏ちゃんそんな子じゃないもん!」
あの後もずっと一緒に話してたけど、すっごくいい子だったし!
「絶対大丈夫だよ!」
「ごめんね、さっちゃん。桃はさっちゃんのことが心配で仕方ないだけなんだよ」
「ちょっと大志!?」
「さっちゃんのこと大好きすぎるから、ごめんね」
「桃ちゃん…!」
私は桃ちゃんの手をぎゅっと握りしめる。
「誰と仲良くしても親友は桃ちゃんだよ…!」
「当たり前でしょう!!」
「――何してんの?」
私と桃ちゃんが友情を確かめ合っていたら(?)、蒼永がやって来た。
「蒼永!」
「ごめん、待ってるとか言ってたのに待たせて。
途中で先輩に呼び出されて…」
「大丈夫だよ!部活は大丈夫なの?」
「練習はないけど、新入生の部活紹介に出ろって…」
「へー、空手と剣道どっち?」
「どっちも」
わあ、それはまた大変だねぇ…。
「確実に客寄せパンダじゃない」
「蒼永くんだもんねぇ」
「だから明日は遅くなるかも…」
「私も生徒会だし、大丈夫!」



