反省しながらスウィーツを食べる。
何気なく食べてみたけど、マンゴーのスウィーツだ。すっごく美味しい。
ガシャーン!
その時、隣の席からものすごい音が響いて、振り向いた。
おじいさんがナイフを落としてしまったらしい。
私は咄嗟に駆け寄ってナイフを拾った。
「大丈夫ですか?」
「ああ、ありがとうお嬢さん」
すぐにウェイターさんがナイフを新しいものに交換してくれた。
咄嗟に駆け寄ってしまったけど、こういう場合はすぐにレストランの人が対応してくれるよね…。
余計なことしたかもしれない……。
「お嬢さんが助けてくれるのは二度目じゃね」
「え?」
「覚えていないかい?クルーズ船でわしを助けてくれたこと」
――あっ……!
「あの時のおじいさん!?お怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、おかげさまでこの通りじゃよ。
わしの月一の楽しみである、あふたぬーんてぃーにもこうして来られた」
「よかったです!」
「こんな老いぼれが若い娘さんと同じことをしていて、おかしいと思うじゃろう?」
「え、おかしくないですよ。
ここのスウィーツとっても美味しいですよね!」
「そうか、そう言ってくれるか」
おじいさんはしわくちゃの顔を一層しわくちゃにして笑って、なんだかとても和んだ。
「……えっ、おじいさま!?」



