クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



反省しながらスウィーツを食べる。
何気なく食べてみたけど、マンゴーのスウィーツだ。すっごく美味しい。

ガシャーン!

その時、隣の席からものすごい音が響いて、振り向いた。

おじいさんがナイフを落としてしまったらしい。
私は咄嗟に駆け寄ってナイフを拾った。


「大丈夫ですか?」

「ああ、ありがとうお嬢さん」


すぐにウェイターさんがナイフを新しいものに交換してくれた。
咄嗟に駆け寄ってしまったけど、こういう場合はすぐにレストランの人が対応してくれるよね…。

余計なことしたかもしれない……。


「お嬢さんが助けてくれるのは二度目じゃね」

「え?」

「覚えていないかい?クルーズ船でわしを助けてくれたこと」


――あっ……!


「あの時のおじいさん!?お怪我は大丈夫ですか?」

「ああ、おかげさまでこの通りじゃよ。
わしの月一の楽しみである、あふたぬーんてぃーにもこうして来られた」

「よかったです!」

「こんな老いぼれが若い娘さんと同じことをしていて、おかしいと思うじゃろう?」

「え、おかしくないですよ。
ここのスウィーツとっても美味しいですよね!」

「そうか、そう言ってくれるか」


おじいさんはしわくちゃの顔を一層しわくちゃにして笑って、なんだかとても和んだ。


「……えっ、おじいさま!?」