え、全然知らない…。
私がきょとんとしていると、桃ちゃんが耳打ちした。
「他人の彼氏キラー」
「えっ!?」
ひ、ひとの彼氏キラー!?!?
何それ!?
「あくまで噂だけど、華村翠夏と同じクラスになった男はみんな彼女の虜!
彼氏なんて紹介したら、奪われる確率100%!」
う、奪われる確率100%!?
「実際あのかわいさだし、男ウケも抜群だからね。
S組の松川茜と並んでライバルにしたくない女子の双璧って呼ばれてんのよ」
「…桃ちゃん、詳しいね?」
「マーバンに華村翠夏と同クラだった子がいてね。色々情報が入ってくるのよ」
補足しておくと、桃ちゃんはマーチングバンド部です。
「ぶっちゃけ咲玖に近づいたの、九竜が目当てなんじゃないの?」
「えっ!?なんで!?」
「だって、あの子自分よりかわいい子嫌いそうじゃない」
「じゃあ、大丈夫だよ。翠夏ちゃんの方がかわいいもん」
「は?100ゼロで咲玖の圧勝だけど?バカなの?」
え、コールド勝ちじゃん…。
なんで今バカって言われたの??
「咲玖と一緒にいたら華村翠夏でも霞むわよ」
「桃ってたまにさっちゃん過激派だよね」
「大志うるさい。
とにかく!気をつけなさいよ、咲玖」



