ロビーから玄関に出て、夜風に当たる。
大きく深呼吸をした。
「ふーーー……」
――いや、めっちゃびっくりした!!
頑張って平静を装ったけど、実はすごく心臓バクバクだった!!
「……ごめんね」
やっぱり、誰かの気持ちに応えられないってしんどいな。
蒼永と付き合う前は「許嫁がいるから付き合えない」ってなんかもっとあっさり断ってた気がするんだけど、恋する気持ちを知ってしまうと……。
「……ずっと私って最低な奴だったのかもしれないな」
あーー…、やばい、ただでさえ沈んでるのに自己嫌悪になってしまう。
もうみんな行っちゃったから、今更散歩コースに合流するのは無理だし。
そもそもどの辺歩くのか知らないし。
蒼永から連絡もこないし……。
「……どうして連絡してくれないの?」
会いたいなんて言わないから、せめて声を聞かせて欲しい。
「……っ、ぅっ……」
……だめだ、部屋に戻ろう。
泣いてるとこなんて誰にも見られたくない。
もうすぐみんな帰ってくるかもしれないし。
私は部屋に戻り、明日の準備を整えた。
しばらくして翠夏ちゃんと朱莉ちゃんが戻ってきた。
消灯時間まで三人でお喋りして、先生の見回りがくる前にベッドに潜った。
結局寝落ちるまで蒼永から連絡はなかった。



