クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



え……?

いつもより大きめの声に驚いて、藤田くんを見返す。


「だって、白凪ちゃん平気そうじゃねーじゃんっ。
無理して笑ってんのバレバレすぎ!」

「……心配かけてごめんね。
でも本当に大丈夫だから。気遣ってくれてありがとう」


私はソファから立ち上がる。
立ち去ろうとする私の腕を藤田くんが掴んだ。


「…行かせらんねーよ」

「藤田くん……」

「だって、今日楽しみにしてたんだろ?
いつもよりおしゃれしてたのも、あいつのためなんだろ?
なのに、一人になってずっと寂しいの我慢して笑ってるくらいなら、やめちゃえばいいじゃん…っ。

俺ならそんな気持ちにさせないのに……!」


――藤田くん……?


「……あっ、ごめん、今のは……」


藤田くんは慌てたように顔を赤らめ、一度は口を噤んだけれど、意を決したように顔を上げた。


「俺は白凪ちゃんのことが……」
「ごめんね。」

「……!」

「私、好きな人がいるから。
その人のことしか考えられないの」


言葉を遮ることをして申し訳ないと思ったけど、その先の言葉を聞いてはいけない気がした。


「また明日ね」

「……っ、また明日……」