クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



「水臭いわね。中学の時は散々三人で遊んだじゃない」

「そうだけど…最初は翠夏ちゃんとこに行こうとしたんだけど、場所が遠くて。
移動時間も考えたら合流しない方がいいかなって思ったんだ」

「そう……」

「ありがとうね、桃ちゃんも大志くんも」


心配してくれる気持ちだけで、充分だ。
少しずつ心が軽くなる。


「それで?結局おじいさん大丈夫なの?」

「……それが、蒼永から連絡なくて」


京都駅に着いたという連絡以降、音沙汰がない。
こっちからメッセージを送っても、既読がつかない。


「大事になってないといいんだけど……」

「心配だね……」


途中で事故に遭ってないかとか、ネットで調べてしまったけどそれらしきニュースはなかった。
もしかしたら、色々バタバタしててスマホ見る暇もないだけかもしれないし。

今は蒼永のこと信じて待つしかない――。

桃ちゃんたちと別れ、ロビーを通ると何やらたくさん人が集まっている。
翠夏ちゃんと朱莉ちゃんの姿を見つけたので、声をかけた。


「ねぇねぇ、何してるの?」

「あっ咲玖ちゃん!これから夜の散歩に行けるんだって!
行かない!?」


そういえば、栞に書いてあったような。
夜の京都の町を散歩するなんて風情だなぁと思うけど。


「ごめんね。蒼永から連絡くるかもしれないし、私はやめとく」