クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



「…男ってさ〜単純なんだよね。
ニコニコ話しかけるだけですぐ勘違いしちゃうんだよ。もちろん全員とは言わないけど、あたしみたいにめんどくさいインネンつけられることもあるよー?」

「うっ…気を付けるね……!」

「ま、そうなったら今度はあたしが助けるから!」

「……!」

「改めてありがとう。助けてくれて嬉しかった」


それだけじゃなく、あたしと友達になってくれてありがとう。
この気持ちは絶対嘘じゃない。


「咲玖ちゃん、これからも友達でいてくれる?」

「……!私の方こそ友達でいて欲しい…!」

「もちろんだよ!」

「あと、修学旅行の班一緒がいい!」

「それあたしも思ってた〜!!」


高校に入った時は、こんな風に友達とはしゃいだりできるって思わなかったな。
同性の友達なんてめんどくさいだけだと思ってたのに。


「咲玖ちゃん、あたしね、かるた真剣に頑張ってみようと思ってるんだ」

「え?」

「緋色の目に映るためには、まずかるたを頑張ることかなって!これでも最近、百人一首の勉強してるんだよ」

「そっか…ひたむきに努力する翠夏ちゃん、すごく素敵だと思うよ」

「ありがとう」


一回の失恋くらいでへこたれない。
絶対振り向かせてみせるんだから。

あたしの恋は新たな一歩を踏み出した。