「…男ってさ〜単純なんだよね。
ニコニコ話しかけるだけですぐ勘違いしちゃうんだよ。もちろん全員とは言わないけど、あたしみたいにめんどくさいインネンつけられることもあるよー?」
「うっ…気を付けるね……!」
「ま、そうなったら今度はあたしが助けるから!」
「……!」
「改めてありがとう。助けてくれて嬉しかった」
それだけじゃなく、あたしと友達になってくれてありがとう。
この気持ちは絶対嘘じゃない。
「咲玖ちゃん、これからも友達でいてくれる?」
「……!私の方こそ友達でいて欲しい…!」
「もちろんだよ!」
「あと、修学旅行の班一緒がいい!」
「それあたしも思ってた〜!!」
高校に入った時は、こんな風に友達とはしゃいだりできるって思わなかったな。
同性の友達なんてめんどくさいだけだと思ってたのに。
「咲玖ちゃん、あたしね、かるた真剣に頑張ってみようと思ってるんだ」
「え?」
「緋色の目に映るためには、まずかるたを頑張ることかなって!これでも最近、百人一首の勉強してるんだよ」
「そっか…ひたむきに努力する翠夏ちゃん、すごく素敵だと思うよ」
「ありがとう」
一回の失恋くらいでへこたれない。
絶対振り向かせてみせるんだから。
あたしの恋は新たな一歩を踏み出した。



