薄々気づいてたこととはいえ、実際目の当たりにするとかなりキツかった。
思わず逃げちゃった。
CDプレーヤー借りに行った緋色の帰りが遅いから、何してんだろと思って呼びに行ったら――なんて間が悪いんだろう。
緋色もばかだよね。
なんで咲玖ちゃんなの?
絶対無理ってわかってるじゃん。
好きになったらダメな子だって、頭の良い緋色ならわかってたはずでしょ?
でも、わかってても止められないのもわかる。
頭で考えてどうにかできたら、あたしは緋色を好きになってないもん。
そういうのじゃないんだよね。
気づいたら心のど真ん中にいるんだよね。
あたしは鬱々とした気持ちで登校した。
あーあ、咲玖ちゃんに顔合わせにくいなぁ……。
「――あんた、華村翠夏だよね」
こんな鬱な気分の時に、なんて最悪なタイミングなんだろう。
「ちょっとあんたに話があるんだけど。
顔貸してくれない?」
「……。」
ほんっと最悪……。



