しかし、そのチャンスは案外早くやってきた。 午後の授業が始まる前、廊下を歩いていると、ふと見降ろした窓の外に例の女の子を見かけた。 旧校舎のほうに向かって一人で歩いていく。 手には何も持っていない。 他に旧校舎に向かって歩いていく生徒は見当たらない。 移動教室ではないことが一目瞭然でわかる。 もう予鈴はとっくに鳴った後で、みんな教室に戻っていく中、女の子だけが反対側に歩いていく。