葛生君は、すぐにイヤホンを耳に押し込んで、ずっとスマホをいじっている。 これ以上は話しかけるなということなのだろう。 私ももうそれ以上は声をかけないようにした。 同じ車両に乗っていても、言葉を交わすこともなかった。 高校の最寄り駅に電車が滑り込み、乗客が一斉にプラットフォームに押し出される。