「土方さん?かえでです」
「おう、入れ」
次の日。わたしは昨日言われたように土方さんの部屋に向かった。
「かえでさん!遅かったですね」
「あ、みんなもいたんだね」
中に入るとそこには近藤さん、土方さんの他に山南さん、斉藤さん、沖田さん、左之さん、そして。
「!芹沢さんも・・・」
「よぉ、かえで」
そう言って手を上げる芹沢さん。近づいてみると前のような酒臭さは綺麗さっぱり無くなっていて、前よりも気持ちスリムになっていた。
(昨日見た時から痩せたかな?って思ってたけど本当に痩せてた・・・)
そんな感想を持ちながらわたしは総司さんの隣に座る。本当は座るのはどこでもいいんだけど、総司さんの隣はなんか安心するから。
「で、なんでわたしを呼んだんですか?」
「あぁ、今から話す」
近藤さんが話し出す。どうやら、近藤さん、土方さん、芹沢さん以外はなにも聞かれていなかったみたい。
「・・・実は、大坂の方で浪士組と語る者がいると情報が入ってな。そいつらを捕縛したい」
「・・・あ、私たちはそのために集められたのですね?」
「あぁ。山南さんの言う通りだ」
「ん?ならなんでわたしも?」
思わず質問する。もうメンバー決まっているんだから別にわたしいなくても良くない?
「いや、そうなんだが・・・あと何人か連れて行きたくてな」
(えっと確か・・・大坂に行ったのは・・・平山、野口、あと・・・)
「・・・あ!島田魁!」
あぁ、スッキリした、と思いながら顔を上げると急に叫んだわたしをギョッとしたように見つめていた。みんなの視線にわたしの顔が一気に熱くなる。
「・・・あ、その、思い出して、て」
「・・・あ、そういりゃあかえで・・・」
「佐之さん!」
佐之さんの言葉を慌てて山南さんが遮る。最初、なんで山南さんが遮ったのかわからなかったが、すぐに理解した。
(芹沢さんにわたしの事情を知られないため・・・)
確かに芹沢さんには言っていなかったのを思い出す。
(・・・どうしよう?芹沢さんだけなら大丈夫かな・・・?)
頭の中で三秒ほど考えて出した結論。
(うん。未来から来たってことだけ言おう)
自分はヴァンパイアと人狼の子なんて話はまだ伝えない。この話をするのはもっと後。
「山南さん、大丈夫です。話しますから」
「⁉︎かえでさん⁉︎」
ギョッとしたようにこっちをみた山南さんを無視して芹沢さんに向き直る。
「この際なので言っておきます・・・わたし・・・わたしはこの時代の人ではありません」
「・・・ん?」
よくわからない、と言うように首を傾げる芹沢さんに、わたしはできるだけ噛み砕いて説明する。
「えっと、わたしは今よりも大体・・・百六十年後の未来から来たんです」
「・・・・・・はぁ⁉︎それは真か⁉︎」
「はい。で、この時代にきた時に一番最初に会ったのが「ぼくです!」だったので、流れで入ることになったんですよね・・・」
「そ、そんなことが・・・あり得るのか・・・」
「はい・・・で、実はわたし、この浪士組っていう組織がすごく好きで・・・救いたいんです」
この話はみんな聞いていなかったらか、自然にわたしに視線が集まる。
「このままだと、みんなバラバラになっちゃう・・・わたし、は、みんな最後まで笑顔で過ごして欲しいの。ただのわたしの我儘だけど、ね?」
「・・・そうな、のか?」
土方さんの言葉にしっかり頷く。
「みんなを救いたい」
その気持ちは嘘ではない。胸を張って言える。
「かえで・・・」
一さんが呆然としたように呟いた。
「おう、入れ」
次の日。わたしは昨日言われたように土方さんの部屋に向かった。
「かえでさん!遅かったですね」
「あ、みんなもいたんだね」
中に入るとそこには近藤さん、土方さんの他に山南さん、斉藤さん、沖田さん、左之さん、そして。
「!芹沢さんも・・・」
「よぉ、かえで」
そう言って手を上げる芹沢さん。近づいてみると前のような酒臭さは綺麗さっぱり無くなっていて、前よりも気持ちスリムになっていた。
(昨日見た時から痩せたかな?って思ってたけど本当に痩せてた・・・)
そんな感想を持ちながらわたしは総司さんの隣に座る。本当は座るのはどこでもいいんだけど、総司さんの隣はなんか安心するから。
「で、なんでわたしを呼んだんですか?」
「あぁ、今から話す」
近藤さんが話し出す。どうやら、近藤さん、土方さん、芹沢さん以外はなにも聞かれていなかったみたい。
「・・・実は、大坂の方で浪士組と語る者がいると情報が入ってな。そいつらを捕縛したい」
「・・・あ、私たちはそのために集められたのですね?」
「あぁ。山南さんの言う通りだ」
「ん?ならなんでわたしも?」
思わず質問する。もうメンバー決まっているんだから別にわたしいなくても良くない?
「いや、そうなんだが・・・あと何人か連れて行きたくてな」
(えっと確か・・・大坂に行ったのは・・・平山、野口、あと・・・)
「・・・あ!島田魁!」
あぁ、スッキリした、と思いながら顔を上げると急に叫んだわたしをギョッとしたように見つめていた。みんなの視線にわたしの顔が一気に熱くなる。
「・・・あ、その、思い出して、て」
「・・・あ、そういりゃあかえで・・・」
「佐之さん!」
佐之さんの言葉を慌てて山南さんが遮る。最初、なんで山南さんが遮ったのかわからなかったが、すぐに理解した。
(芹沢さんにわたしの事情を知られないため・・・)
確かに芹沢さんには言っていなかったのを思い出す。
(・・・どうしよう?芹沢さんだけなら大丈夫かな・・・?)
頭の中で三秒ほど考えて出した結論。
(うん。未来から来たってことだけ言おう)
自分はヴァンパイアと人狼の子なんて話はまだ伝えない。この話をするのはもっと後。
「山南さん、大丈夫です。話しますから」
「⁉︎かえでさん⁉︎」
ギョッとしたようにこっちをみた山南さんを無視して芹沢さんに向き直る。
「この際なので言っておきます・・・わたし・・・わたしはこの時代の人ではありません」
「・・・ん?」
よくわからない、と言うように首を傾げる芹沢さんに、わたしはできるだけ噛み砕いて説明する。
「えっと、わたしは今よりも大体・・・百六十年後の未来から来たんです」
「・・・・・・はぁ⁉︎それは真か⁉︎」
「はい。で、この時代にきた時に一番最初に会ったのが「ぼくです!」だったので、流れで入ることになったんですよね・・・」
「そ、そんなことが・・・あり得るのか・・・」
「はい・・・で、実はわたし、この浪士組っていう組織がすごく好きで・・・救いたいんです」
この話はみんな聞いていなかったらか、自然にわたしに視線が集まる。
「このままだと、みんなバラバラになっちゃう・・・わたし、は、みんな最後まで笑顔で過ごして欲しいの。ただのわたしの我儘だけど、ね?」
「・・・そうな、のか?」
土方さんの言葉にしっかり頷く。
「みんなを救いたい」
その気持ちは嘘ではない。胸を張って言える。
「かえで・・・」
一さんが呆然としたように呟いた。