「かえでちゃん、おはよう!調子はどう?」
「あ、総司さん・・・結構よくなりましたよ」
近藤さんたちが会津藩お預かり壬生浪士組になってから三日目。その間、わたしは一歩も歩いていない。なぜなら。
「まさか、疲労で風邪を引くなんて・・・」
そう、わたし、本宮かえでは人生初!疲労で風邪を引きました!
(いつもは寝てたらヴァンパイアの治癒能力で元気いっぱいだもんなぁ・・・)
でも、なんとかこの日までに間に合うことが出来た。
(なんたって今日は三月十六日!新選組メンバーが会津藩藩主松平容保に拝謁する日だもん!)
これには間違いない。昨日、総司さんが「松平様に会いに行ったけどいなくて会えなかった」って言っていたから。
「ねぇ、総司さん!今日も松平様の所に行くんでしょう?わたしも連れて行って!!」
「・・・え?」
総司さんは予想していなかったように目を見開く。
「えと、かえでちゃんが?会いに?え?」
物凄く混乱しているようでわたしが呼びかけても何も答えてくれない。
「おい、かえで連れてくるのにいつまでかかってんだ?」
「あ、新八ちゃん!おはよう!」
「あぁ、おはよう・・・で総司はなんで固まってんだ?」
「あ、それはね・・・」
さっきの会話を簡単にかいつまんで話す。
「・・・はぁ?」
(あれ、新八ちゃんも固まっちゃった。なんで?わたしそんな変な事言った?)
不思議に思っているとようやく処理落ちしたらしい総司さんがこめかみを叩きながら驚いた理由を説明してくれる。
「あのね、かえでちゃんは女子でしょう?あ、別にぼくが差別してるわけではないよ。だけど、会津藩人たちはそれをよく思っていないことも多いし、まだ浪士組で敵対している人もいる。その中でポイってかえでちゃんを外に晒すのにはみんな反対してるから・・・」
(あぁ、そういう事・・・)
納得した。うん。
「つまり、わたしが女子じゃなかったらいいってことだよね?」
「え?まぁ、そうだけど・・・?」
戸惑いながら総司さんが言う。
「なら、わたし、男子になる!」
「「・・・?」」
「そうと決まれは・・・とりあえず二人は出て行って!三十分・・・じゃ通じないか、四半刻ぐらいで済ませるから!」
しかし二人は一向に出て行ってくれない。
「んも!」
わたしは二人の襟をつかんで外に放り出す。人狼の力があるからこそできる芸当だ。
「あ、総司さん・・・結構よくなりましたよ」
近藤さんたちが会津藩お預かり壬生浪士組になってから三日目。その間、わたしは一歩も歩いていない。なぜなら。
「まさか、疲労で風邪を引くなんて・・・」
そう、わたし、本宮かえでは人生初!疲労で風邪を引きました!
(いつもは寝てたらヴァンパイアの治癒能力で元気いっぱいだもんなぁ・・・)
でも、なんとかこの日までに間に合うことが出来た。
(なんたって今日は三月十六日!新選組メンバーが会津藩藩主松平容保に拝謁する日だもん!)
これには間違いない。昨日、総司さんが「松平様に会いに行ったけどいなくて会えなかった」って言っていたから。
「ねぇ、総司さん!今日も松平様の所に行くんでしょう?わたしも連れて行って!!」
「・・・え?」
総司さんは予想していなかったように目を見開く。
「えと、かえでちゃんが?会いに?え?」
物凄く混乱しているようでわたしが呼びかけても何も答えてくれない。
「おい、かえで連れてくるのにいつまでかかってんだ?」
「あ、新八ちゃん!おはよう!」
「あぁ、おはよう・・・で総司はなんで固まってんだ?」
「あ、それはね・・・」
さっきの会話を簡単にかいつまんで話す。
「・・・はぁ?」
(あれ、新八ちゃんも固まっちゃった。なんで?わたしそんな変な事言った?)
不思議に思っているとようやく処理落ちしたらしい総司さんがこめかみを叩きながら驚いた理由を説明してくれる。
「あのね、かえでちゃんは女子でしょう?あ、別にぼくが差別してるわけではないよ。だけど、会津藩人たちはそれをよく思っていないことも多いし、まだ浪士組で敵対している人もいる。その中でポイってかえでちゃんを外に晒すのにはみんな反対してるから・・・」
(あぁ、そういう事・・・)
納得した。うん。
「つまり、わたしが女子じゃなかったらいいってことだよね?」
「え?まぁ、そうだけど・・・?」
戸惑いながら総司さんが言う。
「なら、わたし、男子になる!」
「「・・・?」」
「そうと決まれは・・・とりあえず二人は出て行って!三十分・・・じゃ通じないか、四半刻ぐらいで済ませるから!」
しかし二人は一向に出て行ってくれない。
「んも!」
わたしは二人の襟をつかんで外に放り出す。人狼の力があるからこそできる芸当だ。