「ねえ、待って……。もっかいするの? 綴、昨日から寝てないよね」

0.1パーセントだけ残っていた薄っぺらい理性で訊くと、不思議そうな顔をした綴は「もう一回しない理由ってある?」と訊き返した。
ない、と答えるよりも先に、唇がまた被さってくる。

あたしは目をつむって、全身で綴を感じる。
薄い上唇も、少し長いやわらかな桜色の舌も、目をつむっていてもきれいに描ける。


わんこそばみたい。

繰り返し、繰り返し、与えられる。
(ふた)をしなきゃ終わりがない。

だけど、あたしは蓋なんてとうに放り投げたから。
そんなものは、ちっともいらないから。

だから。

ずっとずっと、延々と。
きっとずっと、永遠に。