夜10時。
お仕事の時間。
労働基準法違反だよ、眠いよ。
「唯ちゃん、なにかお話でもある?」
母がニッコリ笑いながら言った。
「……いえ、何も……。」
言えねー、何かされそうだし。
でもこれが会社だったらパワハラとかで勝てる案件だよなあ……。
そんなことを考えていたら、障子のむこうに人影が。
「失礼致します、お客様がお見えになりました。」
障子が開いた。
そこにいたのは40代半ばくらいの男性。真面目そうな感じの人。
まぁ言ってしまえばどこにでもいるようなタイプかな?
「本日は宜しくお願い致します。」
私の方を見て、男性は頭を下げた。
「大羽様……ですね、宜しくお願い致します。」
今回は母は何も言わないと事前に説明があった。ご挨拶からお見送りまで、見てるだけだからね♡と。
なのですべて自分で考え、自分で動かなければならない。
「今回唯様に視て頂きたいのはこちらでして……。」
私と同じくらいの歳の女の子の写真と、数枚の男性の写真。男性のほーはみんな、20代後半くらいだろうか?
「娘に縁談の話がありまして。この中に将来の相手がいるのかどうか視てもらいたいのです。」
ふんふん。縁談かー、まぁそろそろ増えてくるよねお話が……。
あ、そういえば鋏に頼らなくても視えるかな?試してみるか。
「わかりました、視てみますね。」
目を瞑って、心を落ち着かせて……集中。
……………視えた!!
「お嬢様の運命のお相手は……、この中にはいませんね。」
赤い糸は大羽様の鞄の中に繋がっていた。
しかもこの糸、赤だけじゃなくラメ入りみたいな??キラキラしてる。
なんだこれは?
首を傾げていたら、母に睨まれた。
あ、とりあえず報告しないと。
「その鞄の中に、ほかの男性のお写真が入っていると思うのですが。」
大羽様はぎょっとした顔をしながら私を見た。
「あぁ、はい確かに……入ってますね。」
慌てた感じでゴソゴソと1枚の写真を出してきた。
20代?10代?ってくらいの若い男性。
やはりこの写真にお嬢様の糸は繋がっている。
「こちらの方とお嬢様の運命は繋がっています。」
そう言うと、大羽様はガックリと肩を落とした。わかってたのかやはり。
「……唯様、こちらの方と娘の縁を断ち切ってほしいのです。娘はこの青年となんの関係もない、ただの知り合いです。今ならまだ間に合う。」
「何か深い事情がお有りのようですね。お嬢様はこのことは……?」
「勿論知りません。ただ親の勘で、先日知り合ったばかりのこの青年と強い絆がありそうで……。実は私、再婚したんですよ最近。前の妻を娘が幼い頃、病気で亡くしましてね。後援会の皆さんがそろそろどうだとご紹介頂いたのが今の妻と息子……この青年なんです。」
「ならなんの問題もないじゃないですか?このままお嬢様の幸せを願ったほうが……。」
「そうなんですが、娘と私の後を継ぐものを後援会の方々と相談しておりまして……。」
やはり、大人の事情。
振り回されていくのか、このお嬢様……。
でも今ならまだ何も始まっていないから傷は浅い……。
そう思ったとき、蒼の声が頭の中に響いた。
『唯、その赤い糸は切れないぞ。』
お仕事の時間。
労働基準法違反だよ、眠いよ。
「唯ちゃん、なにかお話でもある?」
母がニッコリ笑いながら言った。
「……いえ、何も……。」
言えねー、何かされそうだし。
でもこれが会社だったらパワハラとかで勝てる案件だよなあ……。
そんなことを考えていたら、障子のむこうに人影が。
「失礼致します、お客様がお見えになりました。」
障子が開いた。
そこにいたのは40代半ばくらいの男性。真面目そうな感じの人。
まぁ言ってしまえばどこにでもいるようなタイプかな?
「本日は宜しくお願い致します。」
私の方を見て、男性は頭を下げた。
「大羽様……ですね、宜しくお願い致します。」
今回は母は何も言わないと事前に説明があった。ご挨拶からお見送りまで、見てるだけだからね♡と。
なのですべて自分で考え、自分で動かなければならない。
「今回唯様に視て頂きたいのはこちらでして……。」
私と同じくらいの歳の女の子の写真と、数枚の男性の写真。男性のほーはみんな、20代後半くらいだろうか?
「娘に縁談の話がありまして。この中に将来の相手がいるのかどうか視てもらいたいのです。」
ふんふん。縁談かー、まぁそろそろ増えてくるよねお話が……。
あ、そういえば鋏に頼らなくても視えるかな?試してみるか。
「わかりました、視てみますね。」
目を瞑って、心を落ち着かせて……集中。
……………視えた!!
「お嬢様の運命のお相手は……、この中にはいませんね。」
赤い糸は大羽様の鞄の中に繋がっていた。
しかもこの糸、赤だけじゃなくラメ入りみたいな??キラキラしてる。
なんだこれは?
首を傾げていたら、母に睨まれた。
あ、とりあえず報告しないと。
「その鞄の中に、ほかの男性のお写真が入っていると思うのですが。」
大羽様はぎょっとした顔をしながら私を見た。
「あぁ、はい確かに……入ってますね。」
慌てた感じでゴソゴソと1枚の写真を出してきた。
20代?10代?ってくらいの若い男性。
やはりこの写真にお嬢様の糸は繋がっている。
「こちらの方とお嬢様の運命は繋がっています。」
そう言うと、大羽様はガックリと肩を落とした。わかってたのかやはり。
「……唯様、こちらの方と娘の縁を断ち切ってほしいのです。娘はこの青年となんの関係もない、ただの知り合いです。今ならまだ間に合う。」
「何か深い事情がお有りのようですね。お嬢様はこのことは……?」
「勿論知りません。ただ親の勘で、先日知り合ったばかりのこの青年と強い絆がありそうで……。実は私、再婚したんですよ最近。前の妻を娘が幼い頃、病気で亡くしましてね。後援会の皆さんがそろそろどうだとご紹介頂いたのが今の妻と息子……この青年なんです。」
「ならなんの問題もないじゃないですか?このままお嬢様の幸せを願ったほうが……。」
「そうなんですが、娘と私の後を継ぐものを後援会の方々と相談しておりまして……。」
やはり、大人の事情。
振り回されていくのか、このお嬢様……。
でも今ならまだ何も始まっていないから傷は浅い……。
そう思ったとき、蒼の声が頭の中に響いた。
『唯、その赤い糸は切れないぞ。』



