「え?だから、私もお金持ちと結婚しようかなーって。光琉先生みたいな意地悪ではなくて、優しい素敵な金持ちとも巡り会えますように」
 
 うふふと笑う紫をにらみつける。

 光琉は足踏みをはじめた。イライラする。

 こいつどうしたらいいんだとにこにこする紫を眺めてため息をついた。

 「わかった。とにかく、住むところは俺の隣にしとけ。足の様子を診たりするのにも便利だ。金は俺が払ってやる。お前はその代わりに飯を作ったり、家事を手伝え。いいな」
 
 指を紫の前にビシッとさした。
 
 「わかりましたよ。とにかく足が治ったら引っ越しますから。それまではお世話になります。よろしくお願いします」