「でね、お母様のことはこちらで見るから、とりあえず光琉を新しい環境に置いたら、女性問題も一気に解決するだろうと思ったの。札幌は整形外科流行るからね。雪道で転ぶ人も多いし、病院的には成功するってわかっていたから、思いきってふたりにしてあげようと決心したの」

 それにしたって、あっという間に病院作っちゃうとか、すごすぎる。
 相変わらずこの夫婦、経営とかそういうことは天才的に得意なのかもしれない。

 「あいつを院長にして君がナースとして支えていってくれ。結婚式はこちらでやってもらうけどね」

 「わかりました。叔父様と叔母様のいいように結婚式のことはして下さい。私は従いますので」

 私は、院長室を後にした。

 あきちゃんはこの病院を辞めた。
 ふたりは結婚して、今は実家の病院へいる。