「紫ちゃん。光琉から聞いているから心配しないでね。反対してないから」

 紫は何のことだろうと思ったが、はっと気付くと顔を赤らめた。

 「確認したいのは、光琉が無理矢理付きあえっていったり、何かしたりしてないかそれが心配でね。どうも、この間の騒動を見ても君のことを溺愛している。紫ちゃんがもし無理矢理光琉の気持ちを押しつけられているんだったらと思って……」

 院長はばつの悪そうに紫を見ながら言葉を連ねる。

 「……無理矢理なんて。私、先生のことは大好きでしたけどそういう対象に思ってはいけないというか、親戚だし、考えないようにしていました」

 「そうか、そうだよね。年だって離れてるしね」