紫は光琉が気を遣ってくれていたことに気付いた。
 
 「うん。心配かけてごめんなさい。里香子にはそのうち連絡する」
 
 「紫。どうしてひどくなったんだ?何か原因があったんだろ?」
 
 あきちゃん……勘がいいのはいいけど、私の気持ちにはまったく気付いてないのかな?それとも最初から対象外?まあ、いいや。もう、乗り越えた。前を向いて行くって決めたんだもん。
 
 「そうだね。ちょっと使いすぎみたい。気をつける」
 
 「お前、頑張り屋だし、我慢強いからな。疲れたら頼れよ」
 
 「うん。ありがと」
 
 そう言うと、別れた。
 遠くから光琉が心配そうに見つめていた。