父が小さな声で言う。
 
 「……」俺は呆れて声も出ない。
 
 「光琉先生ならそんなのに入らなくてもたくさん候補が周りにおられるでしょう?どうしてそんなのに入ったの?」
 
 「いや。知り合いとか、どこ病院の娘とか、そういうのは嫌なんで、条件で選んでくれる最近のアプリを使ってみようかと。それにいちいち会いに行かなくてもメールでやりとり出来ますし、忙しい私にはピッタリなんですよ」
 
 「そうなのね。最近はいろんなのがあるのね。紫が変な人にひっかからないように見てて下さい先生。この子免疫無いんで」
 
 「お母さん、ひどい。ここでそんなこと言わなくてもいいじゃん」
 
 「そうですね。ちょっとそっち方面は小学生みたいなので、心配ですね、お母さん」
 
 「先生までひどい!」