光琉に声をかける医師がいた。
 
 「先生。あの、ちょっといいですか?」
 
 見ると、篠川彰だ。ああ、今日はうちへの出勤日かと思い直す。
 
 「なんだ?」
 
 「あの、細川さんはどうしたんですか?火曜日もいなかったんですけど、今日もいなくて……聞いたら先生が詳しく知っていると言われて」
 
 光琉は彰を見つめた。そう言えばそうだった。幼馴染みとか言って親しかったなと思いだしたのだ。
 
 「いや、ちょっと足の状態が悪化して、入院している」
 
 「え?足の状態って何か悪かったんですか?」